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無職で長野から上京し、日々の経験を記したブログです。

【本紹介】ハック思考 最短最速で世界が変わる方法論 著者:須藤 憲司

ハック思考


まずは、読了後の感想

この本を手に取ったのは、

『ハック思考』という題名と、

本のジャケットに完全にハックされたからです。

 

本書内では、ハックとは何かをはじめ、

様々な視点、考え方、その方法が細かく記されています。

 

自宅での自粛が続く昨今、

脳をフル活用させて、いまの活動を深掘りしたり、

他に思考を巡らせたりと、

そんな考え方の方法を本書を参考にしながら

巡らせてみても面白いと思います。

 

3分でわかるこの本の概要

この章で説明されているのは、そもそもハックするとはどういうことなのか。

その説明を本書では、

『同じインプットから大きな成果を得られるように転換効率を劇的に高めることをハックと呼びます』

と記されています。

もっと、わかりやすく図解されていたのが、

 

 (Input)                    (Output)

時間 × お金 → 成果

                            ↓

       この転換効率を劇的に上げること

 

そして、実際にどのようにハックを行うのかを、

①人と違う法則を見つける

②システムのスキマを介入する

と説明されています。

 

言葉で理解することはできるのですが、

実際にこの方法でハックを実践するとなると非常に難しい・・・。

ですが、丁寧に事例をあげながら説明されているため、

自分ごとでこれを考えようとした時に変換しやすく記されています。

 

 はじめに なぜあなたが世界をハックする必要があるのか?

この章では日本が直面する3つの問題点について記されています。

問題1:全員VUCA時代に突入

VUCA→Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)

    Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)

 

問題2:強制的にガラガラポン

労働寿命が延びている中で企業寿命は30年から半分になるという予測が出ている中、

誰もが職を3~4回変えることになることを意味している。

 

問題3:人口減少×働き方改革

人口が急速に減少する中で、働き方改革に投じることのできる

時間総量が激減していく。

 

この3つの問題点を総じて、何とかして単位時間当たりの成果を高めるために、

転換効率を高めるしかないと説明があります。

 

いま仕事が安定していてもそれが当たり前ではないのだと、

変化はいつ起きてもおかしくないということをしっかり意識的に捉え、

まずは自分たちのマインドを変化させていかなけれならないのだと

考えさせられました。

 

第1章 世界をハックするための2ステップ

この章ではハックするための2つのステップについての説明が記されています。

1,世界を違った角度から見つめ、他人が気づいていない規則性や法則に気づく

2,その規則性や法則を構成するシステムのスキマに介入する

 

これはまた自分自身に落としこむのが難しそう・・・。

 

本書にも記されていますが、こういった人間の「知恵」こそが、

いま既に突入しつつあるAI時代に勝ち残るすべのかもしれません。

 

第2章 真の因果の見つけ方

 この章ではハックする時に大切な4つの察する力についての説明が記されています。

具体的には、『観察、考察、推察、洞察』の4つ。

言葉では聞いたことがあったり、馴染みのある言葉もありますが、

この4つを繋げて活用するなんてことは意識したことがありませんでした。

ただ、この4つの考え方のフォーマットがあることで、非常に考えやすくなるんじゃないかと思います。

ここで簡単にこの4つについての説明を紹介します。

 

 観察とは、変化を見つけること。

 

考察とは、観察から規則性や法則を導き出すこと。

 

推察とは、考察によって導き出した規則性や法則の転用先を探すこと。

 

洞察とは、観察、考察、推察を同時に行うことで、目の前で現実に起きた事象とは全く異なる因果関係に気づくこと。

 

またこの章では、万有引力を見つけたニュートンを事例にしながら、

彼がどんなステップで世界をハックし、万有引力にたどり着いたのかについてが

記されています。あくまでも著者の想像と書かれていますが、非常に面白く納得させられました。

 

世の中の人が当たり前と思っていることに疑問を持ったことが、科学史上最大に繋がるのだということがここで証明されています。

 

第3章 ”視点”の引き出し

この章ではモノゴトの見方についてが記されています。

・鳥の目:高い視点、広い視野、全体観

・虫の目:深い視点、狭い視野、詳細把握

・魚の目:流れを読む、客観、相対性、大局観

 

さらに、ビジネスモデルとしてみた時に何が優れているのだろうと

考えた時に紹介されている4点が非常に興味深いものでした。

 

・宗教:人の信仰心に根ざしているため、人がいれば史上開拓が可能

 

・賭博:人の欲や中毒性に根ざしているため、こちらも人さえいれば市場があるのと同義

 

・資源:地球に存在するものを採掘しているので原価はタダ

 

・国家:生活の中で当たり前にあることやものに税金という名の手数料をかけているので、頑張らなくても売上があげる

 

こんな視点はいままでなかったので、いま私自身が従事している事業はどれに当てはまるのか、また自社の事業はどれに当てはまるのかなどを当てはめてみると、いままでとは違う観点でそれぞれの事業を捉えることができそうです。

 

第4章 ”方法”の引き出し

この章では「言葉のハック」「身体性のハック」「お金と時間のハック」など

様々な方法での引き出しについて詳しく記されています。

 

その中で私が非常に興味を持ったのは、

『マーケティングはプレイスがすべて』

という考え方。

 

当たり前といえば、当たり前なのですが、

 

『コンビニの棚というのは、敷地面積の総和にしてみると全然大したことはないのだけれど、メーカーにとっては一等地になります』

 

確かに・・・。

業種、また人によって一等地という概念は変わってくるのだと気付かされた文章でした。

 

第5章 ”勇気”の引き出し

この章はハックする方法ではなく、ハックをしてもらうためにはどうすれば

いいかということが記されています。個人的には一番好きな章でした。

 

ここまでの章はどのようにハック思考を作るか、その方法について詳しく

記されてきましたが、結局のところ人一人が出来ることなんてことには限界があって、

そうなった時に最も大切なのは信頼できる仲間をいかに見つけられるか。

 

本書に記されてことを抜粋すると、

『われわれはともすると完璧な会社や仕組みをつくろうとしすぎているとうが気がするのです』

『最初からリスクをオープンにしておけば、自然とそのリスクを補っていこうとする作用が働くように思うのです』

 

私が尊敬するSHOWROOM株式会社の前田さんの著書にも書かれていましたが、

仲間に助けてもらうための余白を予め構成しておくことが、組織づくりには

とても大切で、これがハックしてもらうということに繋がるのだと感じます。

 

第6章 人生の出来事のすべてが引き出しになる

この章ではこれまで経験してきた苦労や挫折のすべてが、ハックをするための引き出し

になると記されています。

また『問いを経営の中心に』という項目の中に、

「PDCA」より「QPMI」を大事にして経営をしたいという、

丸幸弘さんの言葉が紹介されています。

今後目まぐるしく変化していく現代の中で、いかに問いをかけ続けられるか、

またそういった出来事をいかに自分自身の引き出しに変えることができるのかが

大切なのだと考えさせられました。

 

まとめ

「ハック思考」という最初の本書のイメージだと、

何か小難しく、特別技術が必要なのかなと

思い読み始めましたが、実際の方法はいたってシンプル。

いや、本当は複雑なのですが著者の須藤さんが非常にわかりやすくポイントで

記してくれています。

よって、本書を参考にし思考することはすぐにでもできると思いますが、

その効果を発揮させるためには思考の鍛錬がとても大切になってくるのだと感じまし

た。本書内でも記されていましたが、どんな些細な経験でもそれが自分自身の武器に

なり得る。これを日常の中で見逃さず、経験を自分の引き出しに変換させていくことが

重要なのだと感じました。